あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

日曜美術館をみせる

 「君のところでは、こういう美術館の様なところはあるの?」

 『正確には、ナイわ。美は展示されるものではなく、体現するものなのよ。一人一人は、日常、自分の立ち振る舞いから始まって、美を追究しているわ。』

 「君の魅力もそこからくるのだろうか?」

 『魅力や美、というのは、固有に存在するのではなく、関係性があって、初めて成立するの。絶対的な美、というものもあるかもしれないけれど、魅力や美は、関係性や好みから離れて語れるものではないわ。』

 「ということは、オレは、君の美と、響き合っている、ということ?」

 『響き合っている、というのは、なかなか美しい表現だわ。真理を突いている。あなたの中にあるすべては、あなたであり、あなたはすべてでもあるのよ。

 だから、あなたは、私と出会った、というより、あなたがあなたの世界を見出した、ということに、もっと注意を向けた方がいいわ。』


 「オレの先生も、そこにあるものを下さい、あなたにあるものを下さい、宇宙にあるものを下さい、って、何度か言ってた」

 『その先生は、宇宙の法則をよく理解しているわ。あなたたちにとって、大事なマスターよ。響き合う、ということばがさっき出てきたのは、きっとその先生の影響だと思うわ。』

 「先生のそのことばがあったから、君と出会えたのだろうか?」

 『それは違うわ。さっきも、あなたの中にあるすべては、あなたであり、すべてはあなたでもある、って言ったでしょ。せっかくの先生のことばを、あなたは、まだ充分に理解していないわ。

 わたしは、あなたの中にあるもので、あなたは私のなかにある。さっきの、美と関係性のことと、似ていて、あなたの方向は、どこかで私と馴染む何かを持っていたのよ。』

 「ていうことは、君と出会ったのは、運命なのだろうか?」

 『運命、とは違うわ。運命ということばを使うのにはとても注意が必要よ。運命とか、宿命、というのは、その人の在り方と選択の幅をしばってしまうの。運命とは、自分の見ている幻想としての現実を強化したいときに、その都合から出てくる言葉である場合が多いわ』

 「君は幻想なの?」

 『幻想といえば、幻想かもしれない。普通は姿も見えないし。でも、わたしはいつもあなたの中にあるわ。こうしているでしょ』

 「幻想なのだとしても、こうして、君と話している。普通からすると、ヘンなのかなー」

 『というより、あなたたちの世界の見方が、ヘンなのよ。限られたものだけ見ている、というか、本来見えるものを、見えないか、見てはいけないか、という風に、幼い頃から、教育してしまう。

 それは、あなたたちの社会の在り方の、根本的な問題だわ。在るものが、ないことになったり、ないものが、あることになったりする。そういう奇妙さを、私たちは観察しているの。在るものは、あるし、すべての存在は、在るというだけのことよ。』


 「そう、そのことが、この世界をとても生きづらいものにしていて、そのことで、殺し合いや、戦争があったりする。それが、君には奇妙なんだろうね。」

 『そう。あなたたちも、そのことを感じている筈なのに。権力にあなたたちは利用されているということも、分かっている筈なのに、あなたがたは変われない。だから、わたしたちは、あなたたちを見ているのよ。』


 「そんなおろかな、オレのところに、君は来た。そのことがとても不思議だ」

 『あなたは私に呼びかけたわ。だから来たの。でも、いまのあなたたちは、そういうことが分からなかったり、できなかったりするのね。

 さっき、あなたは、この出会いは運命なのか、ときいたけど、そうではなく、あなたの選択なのよ。その選択にわたしはこたえた。あなたが選択するということが、現実であり、創造なのよ。選択ということと、その精神を、あなたたちは忘れているわ。』


 「じゃあ、呼びかけられたから来た、というのも選択でしょ」

 『そう。選択。あなたたちは、ときどき勘違いをして、選択のことを、愛、と呼んでしまうことがあるようね。すべてが愛である、ということを知らないと、愛という言葉の誤用で、自分の自由と責任や、他人の自由や可能性を奪ってしまうことがあるわ。

 だって、あなたは、そのことを、いちばんよく知っている一人でしょう。だったら、あなたの呼びかけが選択であり、私はそれにこたえた、というのが、あなたがわたしに呼びかけた、という意味のあることじゃない?』

 「そうだね。君は本当にオレのそばにいつもいてくれたんだね。だから、子供のころからの、その苦しさも理解しているんだね。本当にありがとう。」


 『あなたが生長したとしたら、わたしがいつもそばにいる、ということを思い出したことよ。他の人もそれができるといいと思うわ。あなたは、音が好きだから、見えなくとも、在る、ものが見えるのかもしれないわ。あなたがたの言葉でいうと、感じる、っていうのだと思うけど。』


 「まだ、オレも捨てたものではなかった、ということなのかな」


 『あなたは、わたしを呼んだ。まだ、それが始まったばかりなの。でも、あなたの世界はよみがえりつつあるわ。

 あなたも、わたしを見つけてくれた。見つけてもらえないと、在ることが難しくなるわ。あなたがいるから、わたしがいて、わたしがいるから、あなたはいるの。そのことを理解することが、感謝ということばの大事な意味なの。だから、わたしも、あなたに感謝しているわ。』

 「エールーエン、君に出会えて本当によかった。ありがとう。」


   2010年の冬の日記より
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by bwv1001 | 2011-09-12 22:45