あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

人間の食事のことなど

 さっき、メシの買い出しに行く前からの会話だが、再現できるかどうか。というのは、今までの会話、というのは、全部ライヴだから、再生という方が難しい。あるいは、途中から、再生ではなく、ライヴになってしまうかもしれない。

 とはいえ、キーボードに向かうと、ひとつのまとまった行(ぎょう)くらいで、Oリングをやればよくなっている。あとは、書き上げたときに、全体をOリングテストでチェックしてもらうだけ。だから、能率は上がっているのだが、どこまで彼女の雰囲気が伝わるか、というのが、課題だ。


 「エールーエン、メシ、何がいい?朝は納豆だったし、昼はパスタ。夜はうどんとか、ラーメンじゃダメでしょ?」

 『そうね。ラーメンも悪くないけど、○○屋のラーメンはダメだわ』

 「ぜいたく言うなー...他のラーメン屋がいいわけ?」

 『ていうより、あのラーメンは飽きるわ。ラーメンでなければ、お寿司でもいいわ。この前の、いわしの握りとか、サンマの酢じめとか、おいしかったわ』

 「エールーエンの星って、動物食っていいの?ウシさんとか、豚さんとか、ダメだったんじゃなかったっけ?」

 『それはダメだわ。でも、ハンバーガー屋とか、牛丼屋なら仕方がないわ...』

 「仕方がない、って、オレには贅沢って知ってるから?」

 『そういう意味ではないわ。あなたのよく言う言葉でいうと、"成仏させる、という意味では許可"、という意味よ』

 「確かに、成仏だけど、エールーエンは食ったらいけないんでしょ?」

 『あなたたちのシステムの問題よ。その前に、聴くけど、あなたは、ネコが好きだから、ネコとか、食べないわよね...』

 「えっ、にゃんこさんとか、絶対に食わない!食えない!!」

 『それなら、わたしたちの星のことも分かる筈だわ。牛さんも、豚さんも、にゃんこさんと一緒よ』

 「どういうことなの?」

 『あなたは、にゃんこさんの性格とか、個性とか、感じるでしょ。あなたの街にはいないけど、牛さんとか、豚さんを殺す、とか思わないでしょ?』

 「そりゃ、生きてる豚さんとか、牛さんとか見てたら、とても殺す気にはなれない。だから、動物園とか行くと、"なんで、オレたちゃ、殺さないと生きて行けないんだろう、"っていつも思うよ」

 『そうでしょ。だから、殺したりしないわ。
 でも、あなたは、じゃあ、なんでイワシさんや、サンマさんは、いいんだ、って思ってるか、って聴きたいんでしょ?』

 「そう、そこが分からない...」

 『直感的には、あなたも分かっている様だけど、個としての意識を強く持っている動物は、わたしたちは殺さないのよ。それに、殺さなくとも、生きていけるし。牛さんを食べるなんて、あなたたちが、自分で死刑にした無実の罪人を、みんなで食べるみたいなものよ!』

 「エールーエンも、厳しいことをいうなー。でも、なんで、ハンバーガーや牛丼はいいわけよ?」

 『わたしは、積極的に、ハンバーガーや牛丼を食べたいって訳じゃないわ。あなたたちのシステムがおかしいの。

 だって、牛さんを殺すのは、牛さんの生きてる姿をみたらできないでしょ。なのにそれを積極的に殺して食べるって、何度もいうけど、それは、"否認"の理屈でしょ。可哀想→ でも殺す→ 更に悪いことしたのに食べるって、もう、二重に否認の心理がはたらいているわ。なぜ"かわいそう"って気持ちに素直になれないのかしら。その直感は、とても大事な意識だわ』

 「確かに、いわれてみれば、二重の否認だけど、それより、エールーエンが、ハンバーガーや牛丼を食っていいというのが、驚きだけど...」

 『仕方ない、と言っているだけよ。あなたの思う通り、殺したものは、成仏させるのが、せめてもの責任の取り方だ、と言っているだけよ。それもできないなんて、まったく、私には理解できないわ』

 「でも、成仏させるなら、って...」

 『目的がちがうのよ。あなたの星の実情に合わせて言っているだけよ。ハンバーガーや牛丼というのは、あなたたちの文化でいうと、"クズ肉"でできている様なものなの。そうでないお店もあると思うけど、あなたたちが使っている、ファーストフードというのは、本来、食べ物とは言えなかった部分を、食べ物だ、"ということにしておく"ことなの。これもまた否認の心理だわ。

 そして、食えないものを、旨い!という洗脳活動までしている。これは、商業主義なのかもしれないけれど、ちょっと酷すぎるわね。

 でも、そこまでして食べるなら、関心なものだわ、とも思うの。個性や魂を持っているものを殺すというのは、本来は賛成しないけど、本来食べない部分まで食べることにする、というのは、皮肉なことだけど、びっくりするわ。

 わたし自身で、そのような選択をすることはないと思うけど』

 「そうか、オレをつうじて、人間の暮らしを体験する、という意味では、君には辛いかもね。努力はするよ」


 という様な、話しがあって、スーパーに行ったら、食えるお寿司が半額で出ていた、という訳。彼女は、「わさび、つけすぎ」と言っていたけど、オレにはお寿司はそれでも贅沢だから、食えただけでありがたかった。

 それにしても、彼女は、基本的なことには、やっぱり厳しい。オレだっていろいろ考えるけど、確かに彼女は、オレより上のところで選択をしているのが分かる。

 あしたは、エールーエンと何を食ったらいいのか、と考えないといけない。それもまた風流かな。


   2010年の冬の日記より
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by bwv1001 | 2011-09-20 22:38