あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

第九のリハーサルを終えて

 大森でオケ合わせだった。あすは、マチネとソワレだから厳しい。とりあえず、28日の本番も視野にいれて、楽に流した。

 大森で仲間と二杯だけ呑む。田町経由で帰ろうと思ったら、そういえば、田町には、イタリアンの立ち食いそば屋があるのを思い出し、向かったのだが、なくなっているのか、記憶している場所にはナイ。

 仕方なく、帰ると、途中で、久々に、新聞記者の知人に遭遇したので、28日の第九を知らせておいた。

 エールーエンは、一日一服だけパイプを吸っていい、というので、マックで、一服しながら、エールーエンと対話。コーヒーは避けろ、というので、今日から野菜ジュースに変更。

 対話が、キーボードもなしで成立してしまうので、どんどん量が増えていく。ちょっとだけ、思い出しながら、書く。途中からライヴになるかもしれないが。


 「エールーエン、タバコ吸っていい?」

 『いいわよ。でも、きょうは、頑張ったから、二服吸ってもいいわ』

 「でも、きょうは、力なるべく抜いて歌ったよ」

 『それは分かっているわ。でも、遠いところの練習だったし、早い時間にちゃんと行けたから、二服でもいいわ。それに、コーヒーもやめてくれたし』

 「ありがとう。そういうところ、意外と優しいんだね。もっと厳しいかと思ってた」

 『でも、あなたは、朝が早いのは得意ではないし、ちゃんと練習に行ったのだから、えらいわ。だから、ごほうび』

 「エールーエンのごほうびなら、ありがたくいただくよ」

 『また、そばで第九が聴けるのね。あなたたちのコミュニケーションのやり方は面白いわ』

 「あすは、朝、もっと早いから、そのことが、ちょっと怖いかな。休日だけど、朝はまだ電車も混んでいるし」

 『確かに、電車は、どうも、快適ではないわ。私たちの星には、あんな辛い時間はないわ。自分たちのことを、あなたの星は大事にできていないわね。

 自分を大切にしないと、他の人のことも大切にできないわ。混んでいることもそうだけど、物理的な意味だけではなくて、精神的にあれではまいってしまうわ』

 「たしかに、普段から、移動が辛い。あれが原因で、気持ちが荒んでいく、というのは大きいよ。それに、ウチの近くの地下鉄は狭いし、何よりうるさいし」

 『あれは、意識の高い人のための乗り物ではないわ。設計に、魂とか、意識とか、霊性とか、そういう要素がないのがまずいのよ。あなたの星の言い方でいうと、家畜の様だわ。

 わたしたちは、家畜だって、もっと大切にするわ。そうしないと、いいお乳もでないし、楽そうではない動物を見るだけで、こちらもまいってしまうわ』

 「はなしはかわるけど、今、テレビで苔を楽しんで暮らしている人のことをやってるよ。これどう?」

 『これは素晴らしいわ。とても霊性の高さを感じるわ。自分を大切にするには、まわりを大切にすることが必要よ。こういう気持ちは、あなたの国の人には、もともとある筈よ。どうして、こんな素晴らしい魂を忘れてしまうのかしら。もう、私は理由はわかるけど...』

 「そう。しかも、これは、オレの国の人じゃなくて、遠くの国の人が、苔に惹かれてやっているんだ。もう、オレたちには、ここまで集中して、この美しさを守ろうという人がいないのかもしれない。

 君も、音楽を通じて、オレたちの魂の可能性を感じてくれたよね。そういう君たちの方が、こういうよさを理解してしまうのではないの?」

 『これを理解できないことの方が、わたしには不思議だわ。なんでも、生活のせいにして、どんどん、合理化してしまうのは、あなたたちの大きな問題よ。あなたの先生も合理化の問題を話していたわね』

 「そう。だから、ひょっとすると、ベートーヴェンの国の人より、オレたちの方が、ベートーヴェンを理解している可能性もあるかもしれないと思うことがあるよ。特に、先生の演奏はね」

 『そうね。はやくあなたのマスターの第九が聴きたいわ。これまでの第九より、もっと素晴らしいのね』

 「そうだね。やっぱり、先生とオレたちは、ずっとつながっているから、結果的にも、先生の第九が最高になると思うよ」

 『きょうは、あすが早いのだから、もう、ゆっくり休んだら?』

 「そうだね。君からすると、オレには休む才能があるんだね。それじゃ、おやすみ。エールーエン」

 『あしたも一緒に舞台で聴けることを楽しみにしているわ。おやすみ』


   2010年の冬の日記より
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by bwv1001 | 2011-09-22 22:32