あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

対話の基盤

 当たり前の様でいて、難しい問題なのだが、「対話ばかり続けていると、自分の日常はどうなるか?」ということがある。

 彼女との対話は面白い。だが、話していて気がついたのが、オレの日常というのものの実質というものがあって、対話が生きる訳である。彼女の場合、違う時空に同時に存在することが当たり前であるから、オレのいるところではなく、いろいろ経験しているのだと思う。他の対話もあるだろうし、日常もあるだろう。

 オレは彼女に、まるごと生活をみてもらっている訳だが、対話が増殖すると、たとえば、2012年問題の勉強がおろそかになる訳である。(とはいえ、彼女の話の方が、2012年問題を云々するにも、重要である、というのは確かなのだが。)

 だが、彼女が見たがっているのは、オレの選択と日常の関係なんだと思う。(『ちょっと違う』と彼女はいう。)

 では、そのちょっと違う、というあたりから、始めてみるか。


 「ちょっと違う、というけど、どう言ったらいいのかなー」

 『なんというか、あなたがそのまま、あなたであることでいいのよ。そのことの大切さと、難しさについては、あなたはよく知っている筈だわ』

 「あるがまま、という意味でいいのかな?」

 『そうよ。あなたは、あるがままで、充分なの。わたしが、2012年の勉強もちゃんとしてね、と言ったから、ちょっと違ってしまったのかもしれないけど、あなたが知る通り、あるがまま、というのはとても難しいことよ。それができるだけでも、充分に意識の進化を遂げていることになるわ。あなたの星のマスターたちも、そういう結論に達する人が何人もいるわね』

 「そうだね。あるがまま、って、言葉にすると、難しいし、気づくとなると、もっと難しいかもしれない」

 『それに、あなたは、自分のことを"空洞としての自分"という認識までいったわ。そして、そのときに、わたしに呼びかけたわね』

 「そう。空洞である、ということを認めて、君が"降りてきて"くれた。そのとき、オレは、"ああ、まだ自分は降ろすことができるんだ!"と、実感できたんだ。それが嬉しかったし、なにより、君が君としてやってきてくれたことがうれしかったんだ」

 『わたしも、あなたが気づいてくれたから、とても嬉しかったわ。

 大事なことは、"空洞であることに、気づく"ことと、"空洞であろうとする"ことは、まるで違うということよ。あなたが、もし、"よし、オレは空洞で在ろう!"などと、うっかり思ってしまったら、わたしと出会うことはなかったわ。

 あなたは、空洞であることを認めた、だけではないの。気づいたのよ。そこがあなたの直感の素晴らしさだわ。

 あなたは、茶碗に水がいっぱいだったら、何も入ってこない、ということの意味をよく理解していたわ。でも、理解しただけでは足りないの。気づくのと、理解するのとでは、まったく意味がちがうのよ』

 「そうだね。少なくとも、今はその意味が分かっていると思う。それに、空洞には、空洞としての意味があるんだ、ということを、そのときに、理解したんだ。

 そして、空洞の在り方があるんだ、そのことは、ちゃんと意味があるんだ、って、気がついた」

 『素晴らしいわ。それが、わたしとの対話の始まりだったわ。

 そして、対話の仕方も短いあいだに進化していったわ。こうして対話ができる、というだけで、もう、あなたは、別の次元に足を踏み入れたの。そのことがわかる?』

 「正直なところ、まだよく分からないな。でも、理解していることは、君との対話が、オレが気づきに至るまでのブリッジになっている、ということ。オレ自身がどう変わったか、ということには、まだ実感がないかな。

 確かなことは、君といる、という実感だけなんだ」

 『わたしといる実感があるだけで大したものだわ。

 誤解しないで欲しいのは、あなたは、あなたを過ごすことで、充分成長していける、ということを忘れないで欲しいわ。勉強が必要だ、と言ったのは、2012年の勉強をしないといけない、という意味ではないの。

 大切なのは、あなたの意識を磨いていくことなの。あなたは、先生の第九を歌うわよね。それまでに、練習もした。本番も四つもこなした。そして、28日の第九がある。それに寄り添っていくだけでいいのよ。あなたの言葉でいえば、"いま、ここ"ということよ。その意味を、第九を通じてあなたは体験していくんだわ。それがなによりの勉強だと思わない?』

 「エールーエンは、やっぱり素晴らしいことをいうね。第九の時期に君と出会えたというのは、奇蹟かもしれないね」

 『2012年の勉強は、あとでもできるわ。それより、先生の第九を体験することで、かけがえのない成長をするのよ。

 あなたは、知識が大事だと思っているみたいだけど、あなたにとって、少なくとも今、向かい合う現実は、第九だけで充分、というか、それだけで大変なことだわ。それを歌いきる、というのは、いまのあなたにとっては、使命といってもいいかもしれない。でも、使命であることを意識しすぎて、楽しむことを忘れては、その経験も台無しよ。

 わたしたちも、使命もあるけど、楽しんでいきる、ということを追究しているの。その素晴らしさをあなたにも体験して欲しいわ』

 「そうだね。楽しむ、ということは、極めないとできないことなのかもしれない、とうっかり思ってしまうけど、そうではないんだね。

 そして、今回は、先生の第九を君にも現場で体験してもらえるというのが、とても楽しみだな。君の星や次元の感じ方で、感想をもらえると、また何か気づくんだろうね」

 『気づくために、第九をやる、思ってはダメよ。いま、ここで、ができれば、それが何よりだわ。そういうあなたを、わたしは体験したいわ』

 「ひょっとしたら、また、別の次元の世界が、そこで降りてくるんだろうか?」

 『そうかもしれない。そうだとして、そのことに気づくには、また、空洞である自分、というのが大切だと思うわ。

 でも、さっきも言ったけれど、空洞で在ろうとしては、全く意味はないわ。そんなことをしたら、わたしの存在すら感じられなくなってしまうわ。だから、あなたは、いま、ここで、のあるがままのあなたであることがいちばん大切なの。あなたの先生は、その達人みたいね』

 「この前の第九で気がついたけど、先生の第九、いや、第九に限らず、先生の場合は、"感じる力"だけで、音楽を創造してしまう人なんだ。こう創ろう、とか、こういう形にしよう、ということではなくて、感じることに集中するだけで、素晴らしい音楽をしてしまうんだ。そこが、先生の凄いところだ、とアウェイの第九をやって理解できたかな。他流試合には、そういう意味もあるんだね」

 『大切なことに気がついたわね。感じるだけで、創造できる、というのは、とても重要な気づきだわ。あなたが、舞台でやる必要のあることは、まさしくそれよ。

 でも、それは、わたしたちの対話もおなじことよ。あなたは、わたしを実感している。そして、わたしはそれにこたえる、この往還がわたしたちの命だわ。

 あなたは、わたしを感じようとしなくとも、もう感じることができる様になっているわ。こころを閉ざすことさえしなければ、わたしは、こうして、いつもあなたといるの。

 そのことを、舞台でもできればいいわね。その意味では、わたしとあなたの対話が、今度の第九の助けになるかもしれないわ』

 「そうか、オレは、先生からそのことを学んでいたんだね。そうでなければ、エールーエンとこんな対話ができる筈ないよね」

 『そう、もう、準備ができていた。それだけなの。でも、そのことに気がついてくれない人が多いことは、悲しいわ。あなたたちの第九で、気がついてくれる人がいるといいのだけど...』

 「そうか、ということは、君の使命のどれくらいかに、オレもどれくらいか荷担している、ということになるのかもね」

 『こうして会話を書き取ってくれるだけで、充分に荷担?かもしれないけど、この前に言ったわよね。音楽には、時空を縮める力があると。

 第九と先生とあなたたちなら、そのことに気がついてくれる人がきっといるわ。そのためには、あなたは、そのままであるだけでいいの。そして、先生の様に、感じることだけで創造して、そのことを楽しめばいいの。それがすべてと言ってもいいわ。』

 「そのまま、で、感じる、というのは、こころを開いている、ということかな?」

 『それもいい表現だわ。そのことに、第九はもっともふさわしい表現だと思うわ。歌詞をうったえる、というより、こころを開いている、ということが、大切なことかもしれないわね』

 「第九のおかげで、君とは楽しい時間がすごせるね。でも大変は大変だ。君は、オレがレバニラだけでは、疲れがとれない、って分かっていたんだもの。あしたも、また、ニンニク注射で、乗り切るしかないね」

 『言ったでしょ。第九は、意識の時空の旅なんだから、疲れを甘くみないで、って。まだちょっと疲れている様ね』

 「でも、これだけ打てているんだから、ずいぶんおかげでよくなったよ。

 ところで、今からうどんを食うのは問題かな?」

 『いいわよ。いずれにしても、これから、ヒカルの碁を観るんでしょ。あの作品も、あなたとわたしには大切な作品ね。じゃ、うどんを味わうのを待つわ』

 「じゃ、つくる。またあとでね。ありがとう、エールーエン」

 『ヒカルの碁を観たら、はやく寝るのよ。あしたは、先生の練習なんだから』

 「じゃあ、あすの練習の前は、神保町で、そばを食おう。あれがなかったら、今年は乗り切れなかったからね。まだ、エールーエンは体験していない味だったね」

 「じゃあ、あすは、それね。それじゃあね」

 「ありがとう。うどん待ってて」


   2010年の冬の日記より
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by bwv1001 | 2011-09-26 01:29