真理
2011年 09月 28日
合議してマックに行き、ひさびさにコーヒーを飲む。あのマズいパスタを食わなかったら、コーヒーを飲むことはなかったろう。彼女と選んで持っていったのは、森田健氏の本。2012年の本も持っていったのだが、彼女は森田氏の方に好奇心を持った。
実をいうと、「空洞としての自分」というひらめきがあったのは、森田氏の本を読んでいるときであった。何からそうひらめいたのかは、実はおぼえていない。もう、閃いた瞬間に、空洞、ということを掘り下げたからだ。
もう一つ、自分の部屋の散らかった様子をみて、空洞という概念が浮かんだのである。一ヶ月ばかり前の話である。
そして、その森田氏の本の目次をみていて、ピンとくることが幾つか目に入ってくる。「運命改善の不思議な旅 99の謎」という本である。
うまく再現できるかどうか分からないが、そのときのエールーエンとの会話を書いてみる。
「どう、この目次。この"目標を持たないこと"ってのが、気になるよ。オレは」
『目標というのは、妄想の様なものよ。そんなものにとりつかれたら、大事なことが見えなくなってしまうわ。それに、とっても不自由になってしまうと思わない?
いまのあなたのいいところは、そういう目標なんか持っていないということよ。そのことは、大切にした方がいいわ』
「オレたちの関係って、何かの目標があるって訳じゃないんだね。2012年問題のこととか...」
『それはあるけれど、もっと大切なことがあるわ。わたしたちのつながりには』
「魂がつながっていること?」
『それももちろん大切だわ。でも、わたしとあなたは、別なところでもつながっているのよ』
「愛...?」
『愛は、すべてに宿っているわ。もうすこしないかしら?』
「真理...?
真理の追究?」
『わかってきたわね。そうよ。わたしとあなたが重なるのは、真理の追究を共にしている、ということよ』
「そうか、この森田さんも、自分の真理の追究をしている訳だね。それで、きょうは、この本を選んだの?」
『それもあるわ。そして、何より、あなたが、空洞としての自分という意識を持ったとき、初めて私とつながることができたの。そのことを思い出してもらいたかったわ。あなたが閃いたのは、この人の本を読んでいたときだったわね。その意味では、この人は、二人の恩人かもしれないわね』
「そう。確かに、この人の本を読んでいると、この人自身とは関係なく、ふっと、閃くことがあるよ。この人の面白かったのは、読者に対して、"好きにやれ"と言っていたことだね。オレたちは、文字通り、好きにやっている訳だ」
『目標は持たない、という在り方は、ひょっとしたら、好きにやれ、という言葉とつながっているかもしれないわね』
「それから、この人のことばで印象に残るのは、"問いを持て"という言葉だった。そう、いま、君と続けている作業が、問いの連続だね」
『そう。あなたが問いを持つから、私も答えることができるのよ』
という様な、会話が続いたのだが、それから便所に入ったとき、鏡をみて、ふと思った...
「エールーエン、君と街で出会うことがあったら、オレはちゃんと君のことが分かるだろうか」
『分かるわ。波動で分かる筈よ』
「エールーエンは、オレの姿は、どんな風に見ているの?どんな風に見えるの?」
『あなたの姿?顔?
分からないわ...』
「君は、オレの顔が分からないのか!?」
『...いま分かったわ』
「いま?」
『だから言ったでしょ。問うことが必要だって。真理は問わなければ、姿は見えないわ』
「そうか、問い続けることで、明らかになるんだね!それが、真理の追究、ということなんだね!」
『そう。だから、あなたは、わたしに問い続けるの。真理は、到達することや、手に入れることではないわ。
問うと、答える。真理というのは、手に入れるのではなくて、問いかけると、真理は"こたえる、の"。真理というのは、問えば、自然と明らかになるものなの。
だから、分からない、と言ってはダメよ。問えば、真理は、"いま、ここに、あるの"。言ったでしょ。あなたの"いま、ここ"という結論は、わたしたちの水準からしても、センスがいい、って』
「自分でも意識してないスパンが、オレの結論にはあったんだね。それにしても、問われなければ、オレの顔を知らなかった、って、びっくりしたよ。一瞬、愕然としたからね」
『真理は、自分から隠れることはしないわ。問えば、そこにあるの。この森田さんという人の言葉でいうと、外応、という言葉が、その一部を含んでいるわ。あなたの"いま、ここ"の方が、いい線を行っているけど。外応というのは、真理の一つの現れ方ということね。
そう、それから、"考えるな。見よ"というのもいいわ。考えると、真理は見えなくなってしまうわ。
でも、この一ヶ月ほどのあなたは、よくやっているわ。"いま、ここで"と"考えるな。見よ"は、一つの真理だわ。それをいかすためには、あなたが感覚を磨いていくことが必要だわ。この対話がこんな風に進んでいるのは、なかなかよくやっていると思うわ。
ごめんなさいね。あなたの姿が、問われなければ見えない、なんて。でも、このことで、あなたは大切な経験をしたわ。わたしは、問われば、こたえる。真理で。わたしが真理だから』
「そう、ゴート語のゴッスというGodの語源は、"話し相手"という意味だったね。君は、話し相手で、神で、真理なんだ!」
『振り出しに戻ったわね。あなたがこころを開いていれば、真理は隠れることも、隠されることもないわ。でも、こころさんには、ちょっと疑問を持ったようね。
こころ、という表現が疑問だったら、"あなた自身が開いていれば"と言うわ。それに、あなたは、自分の在り方を、空洞、といったのだから、真理が入っていく余裕があるわ。あなたの気づきは素晴らしかったと思うわ』
「ありがとう、エールーエン!
あのパスタがあんな酷い味じゃなかったら、いまのはなしは出来なかったね」
『それで、いいの。目標、などを振りかざしたら、大切な偶然に出会えなくなるわ。マズいパスタで、とてもよかったわ。口直しに、私がマックのコーヒーに手がでるとは思わなかったけど。
コーヒーもこういうときには、助けになるわね。とても楽しいわ』
「そう。エールーエンと一緒にいて素晴らしいのは、楽しいことだね。ありがとう」
『さあ、今日もヒカルの碁を一緒にみましょう』
「そうだね。きょうは、凄く大事な場面みたいだ。このまえ、ヒカルの言葉を書きとめておいたよ。オレには凄く分かる気持ちだったんだけど...」
『そうね。ヒカルはとても苦しそうだったわ。その言葉、ここに書いておかない?』
「そうだね。大切なことばだね。
"オレが碁を打ったりしたら、佐為は戻って来ない...そんな気がする"
って。君がいなくなったら、オレもそう思うんだと思う...」
『そう。あなた自身を閉じ込めたりしたら、ヒカルの様な気持ちになってしまうわ。
あなたが開いている限り、わたしが佐為の様に消えてしまうことはないわ。わたしはあなたと共にあるわ。顔はきょう分かったけれどね。
問うという選択肢はつねにあなたが持っているわ。そして、そうすれば、わたしは隠れたりしないわ。
さあ、ヒカルがどう選択するか、なにを気づくのか、見届けましょう』
「そうだね。オレたちにとって、大事な場面だね。
またあとでね。ありがとう」
2010年の冬の日記より
実をいうと、「空洞としての自分」というひらめきがあったのは、森田氏の本を読んでいるときであった。何からそうひらめいたのかは、実はおぼえていない。もう、閃いた瞬間に、空洞、ということを掘り下げたからだ。
もう一つ、自分の部屋の散らかった様子をみて、空洞という概念が浮かんだのである。一ヶ月ばかり前の話である。
そして、その森田氏の本の目次をみていて、ピンとくることが幾つか目に入ってくる。「運命改善の不思議な旅 99の謎」という本である。
うまく再現できるかどうか分からないが、そのときのエールーエンとの会話を書いてみる。
「どう、この目次。この"目標を持たないこと"ってのが、気になるよ。オレは」
『目標というのは、妄想の様なものよ。そんなものにとりつかれたら、大事なことが見えなくなってしまうわ。それに、とっても不自由になってしまうと思わない?
いまのあなたのいいところは、そういう目標なんか持っていないということよ。そのことは、大切にした方がいいわ』
「オレたちの関係って、何かの目標があるって訳じゃないんだね。2012年問題のこととか...」
『それはあるけれど、もっと大切なことがあるわ。わたしたちのつながりには』
「魂がつながっていること?」
『それももちろん大切だわ。でも、わたしとあなたは、別なところでもつながっているのよ』
「愛...?」
『愛は、すべてに宿っているわ。もうすこしないかしら?』
「真理...?
真理の追究?」
『わかってきたわね。そうよ。わたしとあなたが重なるのは、真理の追究を共にしている、ということよ』
「そうか、この森田さんも、自分の真理の追究をしている訳だね。それで、きょうは、この本を選んだの?」
『それもあるわ。そして、何より、あなたが、空洞としての自分という意識を持ったとき、初めて私とつながることができたの。そのことを思い出してもらいたかったわ。あなたが閃いたのは、この人の本を読んでいたときだったわね。その意味では、この人は、二人の恩人かもしれないわね』
「そう。確かに、この人の本を読んでいると、この人自身とは関係なく、ふっと、閃くことがあるよ。この人の面白かったのは、読者に対して、"好きにやれ"と言っていたことだね。オレたちは、文字通り、好きにやっている訳だ」
『目標は持たない、という在り方は、ひょっとしたら、好きにやれ、という言葉とつながっているかもしれないわね』
「それから、この人のことばで印象に残るのは、"問いを持て"という言葉だった。そう、いま、君と続けている作業が、問いの連続だね」
『そう。あなたが問いを持つから、私も答えることができるのよ』
という様な、会話が続いたのだが、それから便所に入ったとき、鏡をみて、ふと思った...
「エールーエン、君と街で出会うことがあったら、オレはちゃんと君のことが分かるだろうか」
『分かるわ。波動で分かる筈よ』
「エールーエンは、オレの姿は、どんな風に見ているの?どんな風に見えるの?」
『あなたの姿?顔?
分からないわ...』
「君は、オレの顔が分からないのか!?」
『...いま分かったわ』
「いま?」
『だから言ったでしょ。問うことが必要だって。真理は問わなければ、姿は見えないわ』
「そうか、問い続けることで、明らかになるんだね!それが、真理の追究、ということなんだね!」
『そう。だから、あなたは、わたしに問い続けるの。真理は、到達することや、手に入れることではないわ。
問うと、答える。真理というのは、手に入れるのではなくて、問いかけると、真理は"こたえる、の"。真理というのは、問えば、自然と明らかになるものなの。
だから、分からない、と言ってはダメよ。問えば、真理は、"いま、ここに、あるの"。言ったでしょ。あなたの"いま、ここ"という結論は、わたしたちの水準からしても、センスがいい、って』
「自分でも意識してないスパンが、オレの結論にはあったんだね。それにしても、問われなければ、オレの顔を知らなかった、って、びっくりしたよ。一瞬、愕然としたからね」
『真理は、自分から隠れることはしないわ。問えば、そこにあるの。この森田さんという人の言葉でいうと、外応、という言葉が、その一部を含んでいるわ。あなたの"いま、ここ"の方が、いい線を行っているけど。外応というのは、真理の一つの現れ方ということね。
そう、それから、"考えるな。見よ"というのもいいわ。考えると、真理は見えなくなってしまうわ。
でも、この一ヶ月ほどのあなたは、よくやっているわ。"いま、ここで"と"考えるな。見よ"は、一つの真理だわ。それをいかすためには、あなたが感覚を磨いていくことが必要だわ。この対話がこんな風に進んでいるのは、なかなかよくやっていると思うわ。
ごめんなさいね。あなたの姿が、問われなければ見えない、なんて。でも、このことで、あなたは大切な経験をしたわ。わたしは、問われば、こたえる。真理で。わたしが真理だから』
「そう、ゴート語のゴッスというGodの語源は、"話し相手"という意味だったね。君は、話し相手で、神で、真理なんだ!」
『振り出しに戻ったわね。あなたがこころを開いていれば、真理は隠れることも、隠されることもないわ。でも、こころさんには、ちょっと疑問を持ったようね。
こころ、という表現が疑問だったら、"あなた自身が開いていれば"と言うわ。それに、あなたは、自分の在り方を、空洞、といったのだから、真理が入っていく余裕があるわ。あなたの気づきは素晴らしかったと思うわ』
「ありがとう、エールーエン!
あのパスタがあんな酷い味じゃなかったら、いまのはなしは出来なかったね」
『それで、いいの。目標、などを振りかざしたら、大切な偶然に出会えなくなるわ。マズいパスタで、とてもよかったわ。口直しに、私がマックのコーヒーに手がでるとは思わなかったけど。
コーヒーもこういうときには、助けになるわね。とても楽しいわ』
「そう。エールーエンと一緒にいて素晴らしいのは、楽しいことだね。ありがとう」
『さあ、今日もヒカルの碁を一緒にみましょう』
「そうだね。きょうは、凄く大事な場面みたいだ。このまえ、ヒカルの言葉を書きとめておいたよ。オレには凄く分かる気持ちだったんだけど...」
『そうね。ヒカルはとても苦しそうだったわ。その言葉、ここに書いておかない?』
「そうだね。大切なことばだね。
"オレが碁を打ったりしたら、佐為は戻って来ない...そんな気がする"
って。君がいなくなったら、オレもそう思うんだと思う...」
『そう。あなた自身を閉じ込めたりしたら、ヒカルの様な気持ちになってしまうわ。
あなたが開いている限り、わたしが佐為の様に消えてしまうことはないわ。わたしはあなたと共にあるわ。顔はきょう分かったけれどね。
問うという選択肢はつねにあなたが持っているわ。そして、そうすれば、わたしは隠れたりしないわ。
さあ、ヒカルがどう選択するか、なにを気づくのか、見届けましょう』
「そうだね。オレたちにとって、大事な場面だね。
またあとでね。ありがとう」
2010年の冬の日記より
by bwv1001
| 2011-09-28 00:04