あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

臨戦態勢 その一

 この地震で犠牲になられた方々にお悔やみ申し上げます。次が自分である覚悟もしています。

 淡々と、メチャクチャになった部屋をかき分けて、電話やネットを復旧したのがきのう。昼間に部屋にいたら、すくなくとも、肋骨の二三本は折っていたと思う。

 きのうは、もし、新宿から次の大江戸線に乗っていたら、確実に地下に閉じ込められていた。あとから聞いた話しでは、お客さんは車両から出て、坑道を歩いたそうだ。

 大江戸線を出て、練馬の交差点に出たところでやられた。立っていられない、という程ではなかったが、姿勢を保つのは楽ではなかった。とうとう来たか、という感じであった。

 覚悟を決めたのは、駅のすぐ近くの保育所から、保母さんたちが、こどもたちを抱いて、外に出てきたときだった。あの建物は、外から見ても、強力に耐震補強されているのが分かる外観しているのだが、そこから保母さんと赤ちゃんたちがでてきて、「これで、オレの今生は終わりだ」と覚悟を決めた。

 それでも、自分も人々も、ビルから、あるいはそのものに巻き込まれることを懸念して、千川通りの中央に集まり始めた。

 とにかく、多くの人が、建物からあぶり出されてきた、という様子だった。

 オレは、そのあと、その近くの施設に行ったのだが、ここでも、何故か「余震」と呼ばれている地震を体験した。これも耐震補強をしっかりしてある施設である。

 その後も余震は続いたが、そのあと、約束があった。練馬の駅前のホールで、合唱団の仲間が、弦楽合奏をやる、というので、とりあえず、ホールに電話してみたのだが、アクセスが集中していて、NTTが、この電話はつながりにくい、と酷いノイズの中で言っていた。このノイズにヤバさを感じた。

 仕方ないので、ホールに行ってみたら、やるらしい。この判断は迷っただろう。

 駅とホールの間には、バスとタクシーのロータリーがあるのだが、いつもと違って、大混雑である。帰宅難民がバスに集中していた。

 それから、ときどき寄っている喫茶店に行った。ここの焼肉ライスという定食が、特別な何かがあるのか分からないが、悪魔的な魅力のある味なのだ。これを、今生の最期の晩餐とした。店員さんにそう言ったら喜んでもらえた。

 店内には、もう帰れずに籠城という人たちがきており、この店の顔である、大量のマンガの棚も崩れていたところがあった。

 そして、約束した演奏会。これが最期の演奏会ということでもいい、と思っていた。大江戸線が一本遅かったら、行けなかったかもしれない。

 師匠や友人たちの安否を確認しながら、歩いて帰る。ふだん、こんなに歩いて帰る人の姿を見ることはない。

 そして、復旧作業となったのだが、思ったより酷い状態ではなかった。

 続きはまた書きたい。


   2011年3月11日以降の日記より
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by bwv1001 | 2011-11-12 23:25