あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

ひさびさに対話で

 何か、ここのところ、サイゼリヤで彼女と対話する、というパターンが増えてきたのだが、やり方もちょっと今回は違っている。要所のメモを取ったのである。

 だが、どうもこの方法はいまのところ、あまりよろしくない様な気がする。キーボードで降ろすのと違い、テンポが阻害されてしまう。

 とはいえ、また書いている早い段階で、ライヴになるだろう、というこのいい加減さ。でも、このいい加減さがあるから、やってこれたのかもしれない。ポメラの様な品物があればまた違うのだろうが。

 そんな訳で、その日のお題は、「教育」の話であった。


 「教育って、どう思う?オレたちの世界を、君たちの次元からみてると?」

 『そもそも、わたしたちの世界には、"教育"っていう考え方はないのよ。

 わたしたちの次元からみて、というリクエストにこたえると、あなたたちの教育、って、あなたたちのいう、"ファシズム"の様なものにしか見えないわね。それで分かってもらえるかしら?』

 「ファシズム、って経験がないから分からないけど、オレたちは、ガキの頃から、訓練ばっかりされる。一人で放っておいてくれる、とか、ただ、見守っていてくれる、って、幼児の頃から、ほとんど経験がないよね」

 『その"訓練"というのも、わたしたちからみたら、不思議な感じがするわ。あなたたちは、生きる意味が分かっていて、それで何か目的や目標がある訳ではないでしょ?』

 「そうだね。親とか、教師とか、挙げ句の果てには、上司まで持つ人もたくさんいる訳だけどね。そういう人たちに、"あなたの指示の目的はなんですか?"と聞いたとしても、まともな答えを返せる人はいないだろうね。

 なんか、目的はなくて、特定の立場にいる人間が、何を根拠にしてなのか分からないけど、指示したり、評価したり、してるだけだと思う。だから、社会に適応してる人って、何をしてるのか、その意味がオレには分からないね」

 『もう一回聴くわ。あなたたちのいう、"訓練"って、何?』

 「わからない。だって、大抵は意味がないし、単なる服従と権力関係にしか見えないけどね」

 『そうでしょ。大抵の場合は...マスターと過ごすなら、訓練にも、意味や目的があると思うけれど、殆どの場合、あなたたちには、訓練、というものの意味はないと思うわ。

 もっと酷くいうと、訓練、というのは、権力の都合でいうことで、あなたたち自身の生きる意味とは関係がないのよ』

 「そうなんだろうなー。オレみたいに、落ちこぼれ、落伍者になっちまえば、却って、訓練とか教育ということばのグロテスクさを"グロテスクだな"と思っていればいい訳だけど、社会のシステムにはまってしまった人からすれば、落伍もできないし、家族もいたりして、自分の生きていることの意味を問うことも禁じられているよね。

 でも、一部に、あたまのいい経済学者とかいて、まるで俺たちが訓練したり、教育されたりしていることが、意味のある様に書かれることがあるから、"上には上がいるなあ"とかあきれてしまったりするんだ」

 『でも、あなたは、教育とか、訓練とかいう在り方から長く離れられて、マトモになったんではないの?生きる意味も分からない人、マスターではない人たちに服従させられるのは、あなたの本意ではないでしょ?』

 「そのことは、君がいちばんよく知ってくれているかもね。オレの生活は、社会的には奨励されている様なものじゃないからね。

 でも、エールーエンの世界では、教育とか、訓練とかなしに、それでも特に困ったりする訳ではないでしょ。もっとすぐれた過ごし方というのがあるんだよね。教育はファシズムだ、って言うくらいだからさ」

 『よく聴いてくれたわね。わたしたちのやり方が、宇宙でいちばん優れているものかどうかは分からないわ。でも、あなたたちのキョーイク、とか、クンレン、とかいうものとは無縁のやり方ね。

 わたしたちは、"学び"はするわ。でも教育はされない。上からの立場の人が、教える、というムリで意味のないことはしないわ。

 それより、マスターなり、学びの役に立つひとたちは、学ぶ存在と調和する。

 つまり、学ぶ側も、はじめから自己の内部に、真理を持っている、ということを理解しているから、教える、ということをするのではないの。

 知っていることを、真理を追体験してもらう。これが、喜びというものよ。自分が何者であるか分かってくる、ということよ。その点が、あなたたちとはかなり違っているわ』

 「ああ、じゃあ、先生のいう"そこにあるものを下さい。あなたにあるものを下さい。宇宙にあるものを下さい。"っていうのと同じだね」

 『そうよ。その意味では、あなたの先生もマスターなのよ。あなたたちの世界で、"真理は自分のなかにある"というのは、相当に勇気のいることではないの?そんなことを言い出したら、多くの人はその人のところから逃げてしまうでしょ?』

 「そうだね。もう昔になってしまったけど、オウム真理教の事件から、まるで無反省の様に、スピリチュアルがもてはやされているからね」

 『あなただって、わたしとこんな話をしていると、スピリチュアルだと思われるわよ』

 「真理とスピリチュアルというのは、まったく違う意味なんでしょ。真理が分からない、真理を問う生活がない、としたら、それは、いわゆるマスコミでも出てくる様な意味でのスピリチュアルなのだろうけど」

 『でも、わたしには、そうズバッと切ることのできない気持ちが少しあるわ。だって、あなたたちのところは、マスターと共に過ごす、という機会はほとんどないんでしょ?それに、自分がマスターだ、などと思う人が近づいてきたら、そういう人からは離れなさい、とキョーイクされるわ。

 つまり、あなたたちは、どこかで真理に対する渇望があるのに、その渇望を認めることすら許されていない。あるいは、渇望を満たそうとすると、反社会的になるか、擬似的な宗教にはまりきるか程度の選択肢がないのが可哀想だわ。

 幼い子供と二人だけで生活している様な母親とか、圧倒的に孤独で、だからこそ、真理に対する気持ちが強くなるのではないのかしら...』

 「エールーエンは優しいんだね。オレには、どこから、だれからキョーイクされようと、構造的には、全く同じことでしかない風に見えるんだけど」

 『そこよ。それが可哀想なの。いわゆる社会でも、擬似的宗教団体であっても、そこには真理はない、あるいは、多くの人は、真理にはたどり着けないわ。それが、あなたの国、あるいは星の残酷なところね』

 「でも、オレの魂も、この星を選んで生まれてきた訳でしょ。親すらも...」

 『そうよ。だから、あなたは、いま、ここで、必要な経験をしている。それがいちばん大切なことよ。わたしとこうしてはなしているのもその一つだと思うわ』

 「そこまでは分かるんだ。だけど、その先が分からない。自己が何であるか思い出す、というのは、この混乱した世界、あるいは、自己にあっては、難しすぎるんじゃないだろうか、って、思っちゃう。しかも、天災続きの時代をオレたちは送ることを覚悟しなきゃならないんだ」

 『あなたの言いたいことは分かるわ。自分の悲惨な死に方を通じてしか、真理を体験できないんではないか、ということね』

 「そう。オレは死ぬこと自体はそんなに怖くはない。でも、そういう体験と引き替えの真理になってしまうとなると、死って、何なんだろう、とか考えちゃうんだ」

 『あなたは死を怖れているのではなく、死が真理との取引材料なのではないか、と思っている訳ね』

 「そう。このところの世界中の天災続きを見ているとそれを考える。オレだって、あの震災で、"生き残ってしまった"っていう感覚はあるよ。被爆者にもなってね。

 地球の(疑似)宗教の多くが、安寧な死とそれまでの人生を取引する様に、オレもまた、真理と死を取引にしてしまうことはないのか、って、自分のことが疑問になるんだ」

 『それは、あなたは、死と真理を取引する罪悪感があるということね』

 「そう。取引であって、罪悪なんではないか、って、死のことを思うんだ」

 『きょうの対話は、何から始めたか覚えてる?』

 「教育の話だね」

 『さっき、わたしたちの学びはどうなっているのか、話したわね』

 「きみたちは、教育なぞしないと。思い出すことを助ける、と」

 『あなたは、そのやり方は、わたしたちの星でないとできないと思っている様ね。あなたにも、その気があればできるのよ。わたしがいるでしょ?』

 「そうだね。きみがいるんだった。何で真理と死の関係を考えると、罪悪感になるんだろう...」

 『あなたは、取引ではまずい、と思い込んでいるのね。なぜなのかしらね』

 「そうだ。震災以来、体験のない死ばかりが多すぎた。オレは生き残ってしまった、と、そういう気持ちでずっと過ごしてきたんだ。オレは何も役に立っていないと...」

 『あなたは、役に立つことでしか、真理にたどり着けないと思っているのね。

 でも、それは間違いだわ。あなたは、まだ教育から逃れていないの。

 あなたは、教育されることから生き残ったわ。これ以上、教育に取り憑かれる必要もないの。あなたは、あなたの真理を思い出すこと、それが、教育ではない、本当の価値よ。それは、本来、一人一人の人がやらなければならないの。

 あなたは、それをしている。それだけではいけないの?』

 「エールーエンは優しいんだね。君の星で暮らしてみたくなるよ」

 『それはまだどうなるか分からないわ。それに、いま、この星でだからしかできないことはあるわ。もちろん、自分を思い出す、という作業の一つとしてね』

 「ありがとう。エールーエン」

 『いま気落ちしていては、この先は持たないわよ。"いま、ここ"だけを感じるの。観るの。それは真理の追究だわ。お休みね』



 こんな風に、震災と原発事件から逃れることのできないまま、彼女と対話している。


   2011年3月11日以降の日記より
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by bwv1001 | 2012-02-18 23:07