あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

掟破り

 掟破り、というと、いろいろと想像するが、きょうの自分の掟破りは、新品の衣類を買ったことだ。Gパンである。値段は850円、という新品である。

 普段買うズボンは、新古品とか、型落ちとか、欠陥があったり、だぶついている品物を500円とか、300円で買ってくるのだ。ようするに、「いらないよ」とはじかれた品物を買うのである。そういう品物に、自分のことを投影している部分はある。

 きょう買ったのは、西友で売っている新品なのだが、どこがそれ以外の近所の品物とそんなに違うのか、自分には分からない。

 だが、分かることは書いてある。バングラディシュ製の製品なのだ。それが、オレのメシ三食か四食分の850円で買えてしまう、というのは異常なことだ。

 たとえば、隣の駅に行くにしても、100円以上はかかる。営団なら160円、JRなら130円はかかる。東京からバングラディシュにあるどこかの町か村までの、Gパンの交通費って幾らなんだ?お船やらトラックがあるだろうし、それを運転したり、操縦したりしている人は、一体幾らもらっているんだろう?このGパンより高いということは、ほぼ確実にあり得ない。

 ならば、縫っている人は、生地を作っている人は、いくらもらっているんだろう。

 そういうことを考えるから、掟破り、という表現になるのだが、事実としては、貧困なオレは、更に貧困にあえいでいる人を搾取することで生き延びていることになる訳だ。本来、あってはならないことである。

 だが、それがシステムになってしまっている、ということが、原発の問題と近い。原発の炉心の作業など、孫請けなど当たり前らしい。からださんに明らかに影響をもたらすところで、孫請けの賃金で働いている訳だ。

 でも、皮肉なことに、そういう人たちは、そんな職場でもないと生きていけない、と思っている、思い込んでいる、あるいは、他に選択肢がなかった、などの事情があるのだと思う。酷い場合は、強要されている場合もあるのかもしれない。

 Gパンを作っている人も、運んでいる人も、考えられない搾取をされていることが、850円、という値段からは想像される。

 きょう、それなのに買ったのは、オレの側の都合があったからである。バザーやフリーマーケットで買おうか、と考えていたのだが、交通費だけでもバカにならなかった。そして、サイズが合うものを探し出す根性がなかった。あるとしたら、救世軍のバザーがある可能性が高いのだが、その交通費で西友の850円のGパンはほとんど買えてしまうのである。

 普段なら、月に一度くらい、新古品を売りにきてくれる業者さんがいるのだが、お盆の月はお休み。しかし、はいているGパンはどんどん破れてくる、ということで、急務だったのである。

 結局、オレが根性がなくて、あの850円の品を買ったのである。試着室まであった。

 となると、西友の衣料売り場の店員さんは、このGパンからは、ほとんどお金をもらえていないであろう。

 やっぱり、オレには、新古品、だぶつき品、規格外品、中古品、不良品の方が気が楽だ。

 世の中、何か間違っている。


   2011年3月11日以降の日記より
[PR]
by bwv1001 | 2012-02-24 22:34