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あるクラリオン星人のと対話


by bwv1001

AKB48が苦手なオレ

 別に、AKBの人たちが嫌い、という訳ではなく、もてはやされる構造とか、何でもやらせる、やってしまう、という商売の感覚が苦手なのである。

 AKBって、昔で言えば、「銀座の女」みたいなものである。容姿とか、物腰とか、品性とかではなく、所属=立場、で全てが成り立ってしまっているところが、コワイ。

 銀座の女に、女性として魅力があるひともいるだろうが、「銀座の女」という記号=立場が全てで、内容はナイ、という人もいるだろう。でも、銀座の女、という記号と立場、と、AKBというブランドは同じなんだろうと思う。特別べっぴんさんがいる訳でもなく、特別カワイイ子がいる訳でもない。その普通さが、客層にとってはリアルなのかもしれないが。

 ウチはCSとか観て、チャンネル回していると、彼女らの番組に出くわすことがある。ネ申テレビとかいう番組で、神テレビという意味なのであろう。とっても嫌な番組である。

 知らないところに連れて行かれて、無理難題をAKBのメンバーに押しつける、というもので、これがとっても嫌いなんである。

 どの様に嫌いかというと、無理な注文を「お前AKBのメンバーなんだから、やれ」みたいなのがイヤである。AKBって、素人さんだと思うんだけど、素人にムリなことをやれ、っていうのと、AKBである以上はプロだろう、って、ダブルバインドのそういう押しつけ方が嫌い。

 大きな会社なんかでもあるんだろうけど、銀座の女、みたいに、会社の名前をしょってる素人の社員にムリな注文を出すのが当たり前、みたいなのかイヤだ。会社に所属してるだけで、「お前、プロだろ。ウチの社員だろ」みたいな理不尽なことを言われて、ヒーヒー言ってるのが、まるで当たり前であるかの様に、人を扱うのと、AKBって同じなんだと思う。

 所属してるだけでプロ、みたいな論理の倒錯が生む構造がイヤだ。でも、所属してると銀座の女という立場はできるから、メンバーの人もギラついてるんだな。それがイヤだ。

 自分のイヤなことでも、関係ないことでも、「イヤだ」って言えないのがイヤだ。だから、倫理的におかしいことでも、何でもやる人間になる。それがイヤだ。

 先日、ミクシィのニュースにも出ていたが、AKBのメンバーの着用済みの衣装をオークションに出したら、10億以上のお金を出した人がいるそうだ。それに対して、怪しい、というので、10億以上だした人には売らなかったそうだ。

 この企画は、震災のチャリティとして行われたものだそうだ。制服を売るというのは、死語かもしれないが、ブルセラショップみたいなイメージも受ける。そんなことまでメンバーにやらせる。でも、チャリティで10億だったら、なんで落札させなかったんだろう。それで救われる人だっているだろうに。

 自分からブルセラまがいのことを仕掛けておきながら、10億出されたから怪しいと思った、というのは、筋が通っていないと思う。あくまでチャリティなんだから。

 とはいえ、制服欲しさに10億出すとしたら、ヘンな人なんだろうと思う。でも、普段メンバーに、「お前たちはAKBなんだから、何でもやらなきゃダメだ」とプロデューサーは指示するんであろう。

 そのプロデューサーといえば、美空ひばりさんの、最後の曲の作詞をした人だが、美空ひばりさんに対して、録音で、唯一ダメ出しをした人でもある。

 つまり、このプロデューサーは、自分の立場をつくることに長けている人なんだと思う。いつも一発OKのひばりさんに対してダメを出すだけで、立場が逆転してしまうことをよく知っていた人だと思う。

 彼が、プロの芸人ではなく、年端もいかない素人を使うって、これも価値の転倒の芸だと思う。でも、それってあんまり健康なことじゃないと思う。素人に応募させて、素人にプロの芸人さんがやることをさせる、って、犯罪的だと思う。大きな会社ではよくあることかもしれないけれど。

 保安院だって、あの以前出ていた人は、原発のプロでもなんでもない。経産省の官僚というただのド素人である。所属していれば、どこにまわされてもプロにさせられる、仕立てる、というのがAKBの論理とまるで同じなんである。

 学校出ようが、それまでの教育なんか意味がないから再教育してやる、という日本の企業の傲慢な体質は、たぶん、AKBのプロデューサーと同じ論理なんだろう。

 原発事件で、経産省や農水省に電話をかけてみたが、やっぱり本質的なところで、倫理観を欠くバカであって、その人たちが、かつての学童社会の中で優位に立っていた、というのは、実に怖ろしいことである。そんな倫理的にバカな存在を再生産するなら、学校教育などやめた方がいい。この惨事に、福島の教師や教育委員会が、子供の疎開すらさせないのをみれば、学校教育に携わる彼等もまた、倫理的にバカであることは明白である。


 戻って、AKB48という在り方の最大の特徴は、要求された問いには必死で答えるが、自分から自分がやっていることに疑問を持てない、自分の疑問を投げかけない、あるいは、疑問を持たない様にされている、ということであろう。

 AKB48という存在は、なるほど、日本と同じ仕組みで動いている学童社会であるから、受けがいいのであろう。そうでなければ、二十歳をこえたメンバーが女子高生の制服など着て参加する訳がない。学童社会の典型がAKB48なのであろう。


   2011年3月11日以降の日記より
by bwv1001 | 2012-02-09 01:19